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霊性のような物

3日前にMadridに帰ってきてから、仕事でパリ→マドリッドの移動050.gif




昨日の夜は疲れきってボンヤリしていましたが・・



今日は復活 049.gif




記事は引き続きあちらで考えた事、起こった事など続けます。

 

***********************************


世の中偶然とは思えないような事ってありますよね。



それが起こった時の事を考えると何か見えない力 ( 霊性 のような物の力が働いた



としか思えないような事。



そういう事って時々あるんだよなぁ・・。





今、被災地では着々と届けられた写真の洗浄と整理が進んでいます。


気仙沼や大船渡では他の都市と提携して写真洗浄のアウトソーシング


要は津波を潜り抜けた写真を被災地以外の場所に送って、洗浄と整理をしてもらった


後に元の場所に送り戻すという事なのですが・・




そういう活動をしている所もあります。

これなら、遠くから被災地まで来る必要もなく、自分の生活を続けながら

ボランティアができますね。




女川町はまだそういったアウトソーシングはしていませんが


5月に行った時に比べたら格段に洗浄と整理が進んでいます。



まず5月はこのように・・


霊性のような物_b0228941_327052.jpg





野ざらしにされていた写真達が







屋内に保管されています。


霊性のような物_b0228941_3285523.jpg








そしてかなりの数の写真が(見つけられた)地区毎に分けられ、


一枚、一枚に認識番号が点けられて探しやすいようになっています。


アルバムごと見つかった場合はアルバムにも認識番号がつけられてて


アルバムの写真の一部のみを展示して、出来る限り多くの写真が持ち主や家族に発見され


返されるシステムが構築されています。




勿論、それらの写真は洗浄されて、綺麗なアルバムに入れられています。




ここまでして下さった写真洗浄に携わった方達には本当に頭が下がります。





というのもこの写真洗浄というもの、


実際やってみて分ったのですが、




かなり神経も使うし根気もいります。





まずは届けられたアルバム類や写真の束を全部別々にします。


別々にするというのは届けられた写真は全て海水に浸かって大抵の場合油や砂がこびりついて


いるので、まず写真を傷つけないように引き剥がさないといけません。




そして一枚一枚の写真の裏に地区と番号を記入していいきます。



そして一枚ずつ洗浄 → 乾燥 → 地区毎のアルバムに収納 → 

→ すぐ取り出せるようにアーカイブ



という肯定を辿ります。


砂や油がこびりついた写真を破かないように、色を落とさないように一枚一枚、


筆や歯ブラシや刷毛を使って洗浄をする作業は細心の注意が必要になります。




しかも・・




湿った物があって、バクテリアなどがこびりついた物(写真)があるここは




ハエの楽園




作業中にハエの攻撃にさらされて、ますます神経が・・・。



こちらでの作業一日目、


大まかな作業の手順を教わって ”さあ~、やるか~ !”


と思っていた私の目にふと飛び込んできたのは・・




なんと・・


 私の姉の名前と誕生日が書かれた紙



 ? ? ? ? 




こちらでみんなと作業している間は自分の写真捜索はしない。



と決めていたのですが



さすがに気になって 思わず




”この紙何ですか?うちの姉の名前が書いてありますけど・・”



と聞くと



写真洗浄の責任者の方が



”その紙の後ろにある入れ物の中の写真が貼ってあったアルバムのね、 裏表紙に書いてあった


のがその文言ですよ”  と仰る。




アルバムや写真にヒントとなるような文言や名前があった場合は見つかりやすいように


写真の上にその文言を書いた紙を貼り付けているのです。




ということは・・





 姉のアルバムだー 049.gif







と思って、後ろにある写真を手に取って見て見ると・・・・








全く知らない人達の写真ばかり・・・・。




作業をされている方が親切に



”よーく見てご覧。近くの番号の物も見てご覧”



と言ってくれますが、 どれも私が見たことのない写真ばかり。




おかしいな~写真がごちゃまぜになったのかな・・と皆で首を捻りながらも



ともかく洗浄作業を開始。



さて、現在私の両親が住んでいる借家は元々が母の従兄弟が所有するものでして



そもそもこの家主さん自身も津波の被害で家に住めなくなったので3:11以降に



こちらに引っ越してきたのです。


で、実は家主さんのお隣に住んでいるのも被害を受けた母の従兄弟家族、


で新しく引っ越してきたばかりの階下の住人も母の従兄弟。





まるで  福建省の客家の土楼 
 (分らない人はwikiって下さい。) 


もかくや、という状態になっていまして。



やっぱりああいう一族だけが住む集合住宅ってのは、厳しい生活環境を乗り切る知恵だったんだ


な・・と妙に感心している私、まりまんどななのですが・・。




で、新しく階下に引っ越してきた母の従兄弟。実は



母上(母にとっては叔母)が津波が迫る中 家にいる所を目撃されて以来行方不明なのです。



従兄弟本人は船乗りなので、その時は家におらず難を逃れましたが



独身者の彼は独身で船乗りという特殊な生活リズムで暮らしている事もあり


今までずーっと母親と同居していたのです。




いずれは母親と離れて暮らす日が来ると思っていたとは言えこんな形で


一人暮らしを始めるとは周りはおろか本人も予想だにしなかった事。




母とはかなり年が離れているとはいえ、ばっちりおじさんの年齢の従兄弟。





みな、その境遇を気の毒がって船を下りてすぐに生活が始められるように。と



生活用具一式を用意して部屋を整えて彼の船が寄港するのを待っていました。




数日前にその彼が引っ越してきてからは 彼が寂しい思いをしないようにと


代わる代わる、夕食に誘ったりしていました。




前置きが長くなりましたが・・




姉の誕生日の書かれたアルバムの事をいぶかりながらも作業を続けていると




何故か、ふと



”あの母の従兄弟は若いとき、女の子っぽい顔してたよな・・”という記憶が突然甦る。




そんな脈絡のないことを考えていると、一緒に作業をしていた男性が


”ねーね、もう一回写真良く見てみなよ。知り合いかもしれないよ。”


と話しかけてくる。



で、期待もせずに写真の束の一枚をまた手に取って見て見ると・・・




白黒の写真の中の小さな男の子。 目が大きくて女の子っぽい子。



似てる・・・・ 母の従兄弟に似ている。







今度は真剣に、他の写真に写っている人達を見てみる。



なんと、そこには若かりし頃の彼の母親が写っていました。


未だ行方不明の彼のお母さん。





私の記憶の中では老女のイメージしかない母上ですが、写真を撮ったころはまだ20代と思われる



頃で、お洒落なワンピースを着ている。


あまりにイメージとかけ離れているので、気づきませんでしたが



そう気づいてから見て見ると、そこに写っているのは小さい頃の母の従兄弟達や


その両親達。



そこまで来ると、そのアルバムは姉の出産祝いのお返しに私の両親が母の叔母に贈った



ものなのだろう。という推測が容易に成り立つ。




事情を説明して、同じ認識番号がふられている写真を全て新しいアルバムに貼り治し



持ち帰ってみる。




帰宅後、母の従兄弟に電話して夕食に誘ってみるも遠慮をして ”いらない ”と言う。



”今日、すごく良い物拾ったんだよ。”



というと すかさず     ”何拾った?” 


”知りたかったらご飯食べに来るんだね。 ”   


と半ば脅し気味に食事に来させて





アルバムの中の彼の小さい頃の写真を見せながら




” この人誰??”




と聞くと




”・・・・・・・・・ 俺だ ・・・・・・・。



”じゃ、この人は?? ”


と若かりし頃の母上を指すと、




だまーったまんま、質問に答えず写真を見始めました。



最後まで見終わってからまた初めから見始めました。



”おやじの写真もある、珍しいな~。”



とか何とか言いながら、また最初から見始めました。



笑いながら、何度も何度もアルバムを見ていました。






写真洗浄の作業は私は3、4日しかしていないのですが、その初日にこのアルバムを



見つけたというのは、やはり写真が私を呼んだとしか思えません。




だって ↓  こんな量の写真があるんですよ。

霊性のような物_b0228941_3305373.jpg






ところで・・・



ちょっと気まずい事が一つ。



見つけたアルバムの中に、一つだけ年代がちょっと違う2枚の写真。


生まれて間もない赤ちゃんの写真。


理屈から言えば、これは姉の写真なんだろうか??



と何度も見てみるけど どーしても姉の小さい頃と結びつかない。


作業場に迎えに来た父に早速その写真を見せると




” この子はまりまんどな姉ではないね。 ”


と断定。


ま、確かに女の子というよりも男の子っぽいかな・・・と思いつつ、



帰宅後、その写真を見て母が一言。



”まりまんどな姉の写真だ !! ”



”でもお父さんが違うって言ってたよ。 ” と言うと




  "自分で産んだ子を間違う母親はいない。”
 



と一言。



父は無言でしたが、



男親ってやっぱりそんなもんですかね??



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by melodynelson-2812 | 2011-07-29 03:57 | 東北復興へ向けて
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